芳名帳を物色していると、ちょうど招待状キットを見ていた
カップルに商品説明をされる店長の声が耳に入ってきます。
「それはフランス製の紙を使っているのでとても表面が滑らかで…」
つい先日まで営業職についていたため「そういう商品説明も研修なんか
あって憶えたのかなぁ。にしても流暢だなぁ」なんて思いつつ、
買うことにしたブツを持ってレジへ。
「×××円になります」「はい」お財布の中をまさぐる私にレジの
女性が続けて声をかけます。
「来店いただいて有難うございます。ですが残念ながら当店は
今月いっぱいでお店を閉じることになりました」
「え…!?」
「うちの商品は、主人が全国を駆け回っていいものを取り寄せて
頑張ってきたんですけど、多くのお客様はお値段が安いものを
選ばれることが多くて。最近は100円SHOPでも安く紙が買える
時代ですからね。実際、100円SHOPで買うからいいとおっしゃって
帰るお客様もいらっしゃって…」
笑いながらレジの女性(店長さんの奥様のようです)は話されました。
どうりでさっきの店長の商品説明が流暢だった訳です。
この奥様が言われるには、今後この業界で商売を続けるには見通しが
かんばしくなく、ここあたりが引き際だと判断されたようなのです。
佐賀は田舎でお給料は低いわりに物価は福岡並みに高く、安ければ
とにかく飛びつく人が多いと私も仕事を通じて感じてはいました。
人口のわりに量販店が多いのも個人商店が消えていく原因の
ひとつかも知れません。
それでも量販店とは違った特徴を求めて努力しているこのような個人商店はまだ佐賀にも沢山あるでしょう。しかし、その努力も実らずまたここに消え去ろうとしているお店もあるのも事実なのです。
今月17日から閉店セールを始めるということで、今まで集めた
ポイントは半分しか貯めてなかったにもかかわらず、レジの女性は
500円の商品券に交換してくれ
「是非来てくださいね」と
微笑んで見送ってくれました。
今後、ちょっと入手しにくい用紙が欲しいとき
佐賀の人はどこに買いに行くのだろう。
そんなことを思いつつお店を後にしたのでした。